Spare Time Studio

刀剣・刀装具を中心とした高精細画像と『美』にまつわる話を綴る”空閑工作室”

建築・建造物の撮影【0】《大判プリントのための撮影法》

 

2008年に撮影した一連の【0】は、今回が最終回です。

 

birdnest_02

 

 

オリジナルサイズはこちら。 http://www.flickr.com/photos/sparetimestudio/8976256432/sizes/o/

 

水立方は4枚組、鳥の巣は2枚組の作品として、大判プリントを目的に撮影しました。周囲の余白部分を含めたプリントサイズは約70x30センチメートル、ピクセル数で言えば約3000万ピクセルです。使用した機材はNikon D3にPC85mmの組みわせ、横長作品とするために左・中央・右の順にレンズをシフトさせて定点撮影した2〜3枚をPhotoshopで繋ぎあわせています。

 

Nikon D3の有効画素数は1210万画素、横幅は4256ピクセルなので仮に300dpiでプリントした場合、幅36センチまでしか引き伸ばすことができません。現在販売されているNikon D800は有効画素数が3630万画素ありますので、これであればワンカットで撮ることができます。しかし、受光素子の単位面積が小さいため、ダイナミックレンジがD3に比べてどうであったか。特に真夜中の撮影では、照明などの発光体から真っ暗な夜空までを写すので、ISOや露光時間を綿密に設定したとしても、ノイズを抑えるのは条件的にかなり難しいのではないかと思います。フラッグシップモデルのD4が、有効画素数を1620万画素に抑えているのもこの辺に理由があるのではないでしょうか。

 

スマホで気軽に撮った写真を、その場でアップして世界中の人に見てもらう。

そんなデジタル的な面白さも捨て難いですが、大判プリントを目的とした、どこかアナログ的な手法で高精細な作品を追求するのも楽しいものです。

 

 

 

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