書の撮影【1】《階調の追求》
よく「墨に五彩あり」と言われます。五彩とは五色のことではなく、
無限の色のこと。墨に色はありませんが、濃淡やぼかし、にじみやかすれ等の
技巧によって様々な表情を見せます。
16ビットでの撮影は2の16乗、65536の階調を捉えることができます。
デジタルの世界ではフルカラーで280兆色。ただし、人間の眼は200階調を
超える辺りから識別できませんので、8ビット256階調で処理されるのが一般的です。
ん〜、ちょっと話が難しくなりました。
仮名の作品では題材に合わせて料紙にもこだわります。
書家によっては1枚が1万円を超える料紙を選ぶ場合も。
軽い気持ちでは、書けません。
書の撮影は半紙のような小さなサイズであれば、全面に均一な光が当たるスキャンニングが適しています。三六や二八のような大きな作品については、また後日。
画像は10数年前に書道展出品のお手本としていただいたものです。
落款ではなく、□なのは『作品ではない』という印(しるし)です。
「おく山に もみぢふみわけ なくしかの 聲きく時ぞ 秋はかなしき」
猿丸太夫
高精細画像はこちら。墨の五彩と仮名料紙、それぞれの表情をご覧ください。
http://www.flickr.com/photos/sparetimestudio/9642399123/sizes/o/