Spare Time Studio

刀剣・刀装具を中心とした高精細画像と『美』にまつわる話を綴る”空閑工作室”

刀剣の撮像【5】《鑑賞法との類似点》

刀剣は見所満載で、姿形→地金→刃文→中心(なかご、茎とも言う)の順序で鑑賞するのが一般的です。中でも光の反射でキラキラと輝く刃文は、まるで宝石や貴金属のような美しさがあります。長尺の太刀や刀を鑑賞する場合は袱紗等を持った左手で刀身を支え、光源を捉えながら上から下へ、下から上へと刃文上に光をすべらせます。残念ながら、刀剣の刃文すべてを一度に視ることはできません。光の反射で得た部分的な情報を、頭のなかで繋ぎあわせて全体を想像します。

スキャナでの撮像は、この鑑賞方法によく似ています。身幅に対して長さの割合が大きい刀身を少しずつ切り取るようにラインで捉え、その情報をPCが繋ぎあわせて一枚の画像として出力します。目視では不可能な全体像を、精細に表現することができるのです。

 

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