モノクロームでの現像
デジタルカメラが商業分野で使われる以前、印刷物への入稿はフィルムを直接お渡ししていました。カラー写真の場合はリバーサルフィルム(ポジフィルムとも)、モノクロの場合は黒白のネガをお渡しするのが一般的でしたが、媒体や予算の条件によっては黒白プリントしたものをあえてリバーサル撮影し、4色分解のモノクロ写真として入稿することもありました。見た目はモノクロ写真なのですが、情報量が多いのでより深みのある写真となるからです。
Illustratorなどで黒の背景をK100%だけではなく、C・M・Yそれぞれを少しずつ加えて深みのある黒、リッチブラックにするのと同じ理由です。
拡大画像はこちら。(圧縮しているため、空のグラデーションが少し荒れています) http://www.flickr.com/photos/sparetimestudio/10133994886/sizes/o/
フィルム時代は黒白も多く撮りましたが、デジタルになってからは全てカラーで撮影し、必要に応じてRawデータをモノクロに変換・現像しています。現在販売されている多くのデジカメには、黒白やセピア調など、好みに応じてフィルムモードを変えることができますが、これも直接に黒白やセピア調で撮っているのではなく、一度カラーで記録したものを各メーカー独自の個別のパラメーターに基づきカメラ内で変換しているのです。
カラー写真を黒白に変換するには彩度を落とすのと同時に、コントラストの調整が重要なポイントになります。