Spare Time Studio

刀剣・刀装具を中心とした高精細画像と『美』にまつわる話を綴る”空閑工作室”

たたら

 

スタジオジブリの「もののけ姫」で「たたら」という言葉が広く知られるようになりました。映画での描写には誤解もあるのですが、それはさておき。

 

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画像は日本刀専用の材料である「玉鋼(たまはがね)」で、日本古来のたたら吹きによって作られるとても貴重な和鋼です。製鉄方法は村下(むらげ)の指示のもと、大量の砂鉄と木炭を三日三晩(一代、ひとよ)、交互に炉内に装入し続け操業します。この結果、2〜2.5トンほどの「けら」と呼ばれる鉄の塊ができるのですが、日本刀の材料となる高品質な玉鋼は、そのうちの僅か1割ほどしかとれません。村下とはこの操業を執り行うリーダーで、技術保持者は2人だけです。

たたら吹きは昭和20年、終戦と同時に一度失われた技術ですが、昭和52年に国庫補助事業として復活しました。現在は毎年冬に二代〜三代の操業が行われ、刀匠への材料供給と技術の伝承がなされています。

 

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画像の玉鋼は5~6センチに割砕かれたもので、重さは50〜90グラムほど。熱心な刀匠は直接現地へ赴き、時間をかけて作品の材料となる「鉄のカケラ」をひとつひとつ吟味します。

 

たたらについて興味のある方は、以下へどうぞ。

http://www.hitachi-metals.co.jp/tatara/index.htm

 

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