Spare Time Studio

刀剣・刀装具を中心とした高精細画像と『美』にまつわる話を綴る”空閑工作室”

刀剣の撮像【8】《解像度と被写界深度》

刀剣はドキュメントとは違い、立体です。仮に元重ね(厚み)が8ミリある刀剣の撮像をする場合、その半分の4ミリが被写界深度内に収まらなければ、拡大時にピンボケとなってしまい、鑑賞に堪えません。私の実験結果では、この限界が800dpiでした。ピント合わせは刀剣の下に置くゴムの高さで調節しますが、この方法は0.5ミリ単位が精一杯です。原寸で印刷する場合は350dpiあれば十分なので、通常は被写界深度に余裕のある400dpiで撮像します。

添付の画像はピントと被写界深度の実験のために撮像してみました。スキャナを分解してCCD基盤を取り外し、自作の刀剣専用撮像機の光学限界解像度、3200dpiでスキャンしています。上の画像は縮小で、クローズアップは元画像の一部です。

さすがにこの解像度ではピントを合わせられませんが、それでもセンサ内の三原色の内、RedとGreenのラインがうっすらと視認できます。(画像中央、右端部分)もう一本あるはずのBlueは、まわりに融けて見えません。RGBそれぞれの線幅は0.03ミリ以下です。

 

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