Spare Time Studio

刀剣・刀装具を中心とした高精細画像と『美』にまつわる話を綴る”空閑工作室”

銀塩写真プリント

刀剣、いわゆる日本刀の中で『刀』に分類されるものは、刃長2尺3寸を定寸と呼び、中心(なかご)を含める総長は90センチ以上(例外もあります)です。長尺のため、これまでは大判インクジェット・プリンタで出力していましたが、先日、ようやく出逢ったプロラボから、お願いしていた銀塩写真のテストプリントが届きました。このラボでは250センチまでの出力が可能で、現存する99%以上の刀剣をカバーします。

最近ではデジタル・デバイスとSNSの普及により、撮った写真をプリントする機会がめっきり少なくなってしまいました。デジタル・アーカイブの研究では、刀剣・刀装具の画像をデータベースに組み込み、どのように活用するかが課題です。モニタ上の画像でもキャリブレーションさえしっかりとれていれば、確かになんら不都合はありません。

その一方で、個のフォトグラファーとしては撮った写真をプリントすることで一連の作業が完結します。刀剣は諸々の事情で、絵画のように常時飾っておくことができません。気軽に鑑賞する手段としての高品質な銀塩写真プリントは、その美しさを誰にでも身近に感じさせてくれる作品でもあります。

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iPhoneでの撮影。撮像素子が小さいため「ザラッと」していますm(_ _)m
グロスペーパーが天井を反射していますが、左下、図譜タイプにした写真にはコーティングを施していますので、反射が抑えられています。今後、プロラボと相談しながら裏打ちでの平面性保持や印画紙の種類・コーティングのテストを重ね、刀剣に最適な組み合わせを探求してみたいと思います。
刀剣の全身等倍写真は迫力があり、銀塩の艶がよく似合います。

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