刀剣の撮像【7】《高解像度での記録》
オフセット印刷などの商業印刷では、写真の解像度は350dpiでの入稿が一般的です。これは線数175本の2倍...ここでは省略しますが、印刷目的であれば、原寸大で350dpi、拡大印刷の場合はそれ以上の解像度が求められます。
高解像度で撮像したデジタル画像は、肉眼では確認できないディテールを手で触れずに、まるでルーペや顕微鏡を覗くように拡大して視認できます。大画面で視る高精細拡大画像は学術的な研究に有用なだけではなく、緻密で繊細な職人技を再発見させてくれる楽しさもあります。
左)モニタの解像度にもよりますが、画面上で実寸に近いサイズにした画像です。(左端のスケールをご参考ください)状態が悪く銘文も小さいので、はっきりと読み取ることができません。
中)右を400dpiで撮像した画像の一部。赤錆の状態とその下に隠れている「長舩幸光」の銘文が十分に視認できます。
右)現代刀匠による銘文の一部。一文字が約8ミリ角の大きさですが、800dpiで撮像すると、ここまで大きくできます。鏨の運びに、まるで著名な書家の筆蹟を覧るようです。