Spare Time Studio

刀剣・刀装具を中心とした高精細画像と『美』にまつわる話を綴る”空閑工作室”

刀剣の撮像【2】

市販のスキャナはそのほとんどがA4サイズですが、A3サイズの製品も販売されています。このサイズですと、寸延短刀までであれば直接ガラス面に載せて一度で撮像することができます。通常スキャナはガラス面にピントが合うように設計されていますので、刀身をガラスに密着させるこの方法は比較的容易に解像度の高い画像を得ることができます。
しかし簡単な反面、問題点もいくつかあります。一番心配な点は刀身が硬いガラスに直接接触するためヒケなどの傷をつけてしまう恐れがあり、万が一、手を滑らせガラス上に落としてしまうようなことがあれば大事に至りかねません。撮像の際は細心の注意が必要です。
また、刀剣は棟側が厚く刃に向かって薄くなっていますので、平らなガラスに置くこの撮像方法では少し傾いた感じの画像になってしまいます。この傾向は刀剣の重ねが厚いほど、特に中心孔に顕著に見られ、手にとって鑑賞した場合との差異に違和感を感じるかもしれません。

f:id:sparetimestudio:20130524190103j:plain

(c) Spare Time Studio, All Rights Reserved.